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お知らせ

【お知らせ】台湾安全情報(2022年1月~12月)

公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所より、2022年1月から12月の統計データ(暫定値)
及び同年10月から12月に発生した事案を基に作成した、台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。

1 社会・治安情勢
 日本台湾交流協会台北事務所周辺において、我が国との歴史等に関連し、一部の団体等による抗議活動が
散発的に行われていますが、一般市民全般の対日感情は良好であると言えます。また、台湾の治安情勢は、
引き続き比較的安定していると言えます。

2 犯罪の傾向
(1)主な犯罪の発生件数
 内政部警政署の発表によると、2022年中の刑法犯の発生件数は24万5,499件と、前年と比較して
9.4%増加しています。台湾は安全だと考えがちですが、実際には依然として多くの犯罪が日々発生しており、
特に詐欺の被害が大きく増加傾向にある状況等も見られますので、引き続き油断することなく、
台湾が海外であることを忘れずに防犯意識を高めるよう心掛けてください。
 また、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですので、被害防止の参考としてください。

 刑法犯総数  24万5,499件(前年比9.4%増)
  うち殺人      174件(同 上17.9%減)
  うち強盗      131件(同 上15.5%減)
  うち強制性交     62件(同 上20.5%減)
  うち窃盗   3万7,987件(同 上 8.3%増)
  うち詐欺   2万9,702件(同 上20.1%増)

(2)邦人被害の事案
 ア 窃盗
 12月、新北市内のアパートにおいて邦人の空き巣被害の報告が1件ありました。犯人は、被害者が外出中の
日中に部屋の中に侵入し、部屋の中に保管されていた日本円約100万円と台湾元約4万元を盗んだとみられます。
また、帰宅した被害者の親族が室内で犯人と鉢合わせています。玄関や窓は、必要な場合以外は常に施錠する
などの防犯対策に努めるとともに、帰宅時に室内の異常を感じた際には、二次被害を防ぐために1人では室内に入らず、
警察や管理人等に速やかに通報するようにしてください。
 また、過去には、台北市内の国立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101、
世界貿易センター、西門町、士林夜市、饒河夜市及び寧夏夜市、新北市内の九フン、高雄市内の蓮池潭、
六合夜市及び瑞豐夜市等の各種観光地を始め、各種飲食店、空港や駅等で窃盗の被害が確認されています。
外出する際には油断することなく貴重品の管理に引き続き留意してください。

 イ 旅券(パスポート)の紛失
 10月から12月までに、旅券を紛失したとの届出が7件ありました。その多くは、外出時に、用務先又は
タクシー内で紛失したとみられます。中にはいつどこで紛失したかわからない例もあることから、
海外生活における重要な身分証明書の役割を果たす旅券については、日頃から有効期間を確認するとともに、
適切な管理に努めてください。
 なお、日本台湾交流協会が把握している過去の旅券の紛失事例を見ると、以下のような特徴が挙げられます。

○ 九フンや夜市等の大勢の客で混み合う場所において旅券を紛失する。
○ 乗車したタクシーや公共交通機関に旅券が入ったバッグを置き忘れる。
○ 空港での両替時に本人確認のために旅券を提示し、そのまま置き忘れる。
○ 泥酔するまで酒を飲んだ後に路上で寝込み、旅券入りのバッグを紛失する。
○ ナイトクラブに入場する前に旅券を提示し、店内で酔っ払って紛失する。
○ 部屋の片付けや引っ越しの際に、旅券を誤って捨てたり、落としたりする。

 上記に見られるように、旅券の紛失は所持者本人の不注意によるものが大半を占めます。旅券を紛失した場合、
台湾当局への届出に加え、どうしても急ぎ帰国の必要がある場合には、渡航書等の申請が必要となります。
そのためには、戸籍謄本等の入手が必要となるなど、申請手続には多くの時間と労力を要します。また、
日本の旅券は国際的な信用度が高く、紛失した旅券は偽変造され、不法な出入国等の犯罪や国際テロを助長する
おそれがあります。上記の事例を参照しつつ、滞在中の旅券の管理に十分に留意するようにしてください。

3 交通事故の傾向
(1)主な統計
 内政部警政署の発表によると、2022年1月から10月までの交通事故の発生件数は30万4,026件と、
前年と比較して5.5%増加しており、台湾全域では1日約1,000件の交通事故が発生している計算となります。
 また、死者数(2,560人)については、前年同期(2,411人)と比較して6.2%増加しており、
台湾全域では1日約8人が交通事故で死亡している計算となります。
 依然として毎日多くの交通事故が発生していることから、外出時には日本と台湾の交通事情や習慣の違いを
常に意識するとともに、周囲の自動車やバイクの走行状況に十分に留意して、交通事故の被害に遭わないよう
心掛けてください。
 なお、交通事故に関する主な統計は、以下のとおりです。

 発生件数 30万4,026件(前年比5.5%増)
 死 者 数    2,560人(同 上6.2%増)
 負傷者数 40万3,878人(同 上5.5%増)

(2)邦人被害の事案
 11月、台南市内において日本からの出張者が交通事故に遭ったとの報告が1件ありました。被害者は、
道路を青信号で横断中に乗用車にはねられ、右手首を骨折したものです。台湾では、交通ルールやマナーが
遵守されていない場面に遭遇することが多く、ドライバーの中には歩行者よりも車両を優先する傾向がある者もいます。
日本と台湾の交通事情や習慣の違いを認識し、外出中は常に交通事故防止に十分な注意をしてください。

4 テロ・爆弾事件の発生状況
 報告されていません。

5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況
 報告されていません。

6 日本企業の安全に関する事案
 10月及び11月、日系企業の台湾支社に対して、日本本社の社長を名乗る男から、流暢な日本語で
「財務担当者と話をしたい」旨の電話があり、電話に出た職員が用件を尋ねると一方的に電話が切られるという
不審電話がありました。本件のように社長等を騙る人物からの日系企業への不審電話は、香港や米国等でも
複数確認されています。当該不審電話の目的は、対応した職員を欺き、指定する口座に送金をさせて金銭を
騙し取ることとみられます。
 また、過去の事例では、「電話のディスプレイに日本本社の電話番号が表示される」、
「極秘の企業買収案件であることなどを理由に、周囲には口外せず至急の対応を指示する」といったように、
巧妙な手口が用いられる場合がありますので、日系企業におかれましては、こうした事例を職員に周知するなどして、
詐欺被害に遭わないようにくれぐれも注意してください。

7 海外旅行保険への加入
 過去には、台湾を訪れた邦人(特に高齢者)が滞在中に体調を崩して病院に入院し、高額な医療費
(例:手術を伴う1か月程度の入院で約500万円)を支払うことになった事案や、邦人が自身の
体調不良に対し医療費がかさむことを心配して病院の受診をためらっていたところ、病状が悪化し、
救急搬送されて入院したという事案(1か月余りの入院費・治療費は約350万円)等を把握しています。
 また、2023年1月から、台湾の健康保険制度に加入していない非台湾籍者が台湾滞在中に
新型コロナウイルスに感染した場合、隔離や治療費用は自己負担となることが発表されるとともに、
台湾当局は外国籍者(旅行者、短期留学生等を含む)に対して、台湾入境前に保険に加入することを
呼び掛けています。
 このような場合、海外旅行保険に加入していれば、病気の際の医療費、移送費等が補償されるほか、
保険会社や契約内容によっては、家族の渡航費や台湾において日本語通訳の手配サービスを受けることも
可能となります。台湾を訪れる際には、犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り
充実した海外旅行保険に加入することを御検討ください。

8 台湾当局による新型コロナウイルス感染症への各種対策 
 現在、台湾入境者に対して、入境日を0日目として7日間の自主防疫が義務付けられています。
自主防疫の場所は、「1人1室」(独立のトイレ・バス)を条件に、自宅或いは親族・知人宅又は
ホテルが原則であり、入境当日又は入境翌日の自主防疫1日目に、空港又は港湾で配布される
新型コロナウイルスの家庭用簡易抗原検査キットを使って簡易検査を実施する必要があるほか、
自主防疫期間中に外出する際は、2日以内の簡易検査の陰性結果が必要となります。
 また、2月7日からは、空港又は港湾に置かれている家庭用簡易抗原検査キット1回分を自分で受け取り、
自主防疫期間中に症状がある場合に同キットを使って簡易検査を実施する形に変更となります。
 こうした自主防疫期間中の主な防疫ルールを含め、新型コロナウイルス感染症に関する台湾当局の各種措置は、
感染状況等に応じて変化し得ることから、衛生福利部疾病管制署のHP(https://www.cdc.gov.tw/)や
当協会のHP(https://www.koryu.or.jp/tabid2169.html)を参照し、最新かつ正確な情報の収集に努めてください。
また、新型コロナに関連する台湾当局の定める義務に違反した場合、関連規定により高額な罰金が科される
場合がありますので、十分に注意してください。