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お知らせ

【お知らせ】台湾安全情報(2019年10月~12月)

公益財団法人日本台湾交流協会台北事務所より、2019年中の統計データ及び同年10月から12月
までの間に発生した事案を基に作成した、台湾の安全情報を以下のとおりお知らせいたします。

1 社会・治安情勢
 一部の団体等による抗議活動が散発的に行われているほか、2019年12月に日本台湾交流協会
台北事務所前で尖閣諸島をめぐって数十名規模の抗議活動が発生していますが、一般市民全般の
対日感情が悪化しているとは言えません。また、台湾の治安が大きく悪化したという状況は認められず、
治安情勢は比較的安定していると言えます。

2 犯罪の傾向
(1)主な犯罪の発生件数
 内政部警政署の発表によると、2019年中の刑法犯の発生件数は26万9,083件と、
前年(2018年)と比較して5.4%減少しています。統計上、2019年は前年より治安の改善が
見られますが、引き続き油断することなく、台湾が海外であることを忘れずに防犯意識を高めるように
心掛けてください。また、主な犯罪の発生件数は以下のとおりですが、詐欺の発生件数が増加して
います。警政署の詐欺防止相談ホットラインのHP(https://165.npa.gov.tw/)では、
実在する公的機関や公務員を装った振り込め詐欺への注意喚起、詐欺に使用されたと
考えられる電話番号等の最新情報を掲載していることから、被害防止の参考としてください。
  刑法犯総数  26万9,083件(前年比 5.4%減)
   うち殺人       297件(同 上 8.0%減)
   うち強盗       191件(同 上 7.7%減)
   うち強制性交     195件(同 上14.5%減)
   うち窃盗   4万2,496件(同 上11.1%減)
   うち詐欺   2万3,671件(同 上 0.9%増)

(2)邦人被害の事案
 ア 窃盗
 ○ スリ
 2019年10月、新北市内の新荘副都心駅(地下鉄の桃園空港線)に向かう車両内で、邦人が
バッグの中から財布及び旅券を盗まれたという事案を把握しています。
本件は、被害当日に新北市において『ポケモンGO』のイベントが開催されており、邦人もこのイベントに
参加して上記駅で下車した際にバッグが開いていることに気が付いたようです。このように、人が多く
集まる観光地やイベント会場及びその周辺に赴き、注意力が散漫になっている人を狙って犯行に及ぶという
犯罪者の心理を知っておく必要があります。
 また、同年11月、邦人が台北市内の永康街を歩いている際に見知らぬ男性がぶつかってきて、その後に
バッグの中を確認したところ財布を盗まれていることに気が付いた事案や、邦人が台北市内の寧夏夜市で
買い物をしている際に知らない者の手が邦人のバッグのファスナーを開けて財布及び旅券を盗み、邦人が
犯人を追いかけるも人混みで追いつくことができなかったという事案を把握しています。これまでも
スリグループが邦人にぶつかってくる手荒な手口やバッグから財布等を抜き取る際の巧妙な手口を紹介
していますが、人混みの中で他人が突然ぶつかってきたり、体やバッグを不自然に押されたり触られたり
したときは、所持品をすぐに確認してください。さらに、上記の事例を含め、邦人がよく訪れる
国立故宮博物院、忠烈祠、中正紀念堂、龍山寺、永康街、台北101、世界貿易センター、西門町、
士林夜市、饒河夜市、寧夏夜市、九フン(「にんべん」に「分」)、鼎泰豐の店舗周辺等の観光地において、
旅券等の貴重品の盗難及び遺失事案が依然として発生していることから、これらの観光地では貴重品の管理
には一層留意するように心掛けてください。

 ○ 仮睡者ねらい
 2019年11月、台北市内のナイトクラブ付近の路上で、邦人が旅券、スマートフォン等が入った
バッグを盗まれたという事案を把握しています。本件は、邦人が上記クラブで酒を飲んだ後に付近の路上で
寝込み、目が覚めた際にはバッグがなくなっていることに気が付いたというものです。このように、
飲酒等が原因で寝込んでいる者の所持品を狙う手口を「仮睡者ねらい」と言いますが、飲酒した後には路上、
電車内等で寝込むことなく、自宅や宿泊ホテルまで確実に帰るようにしてください。

 ○ 置引き
 2019年10月、台北市内のホテル内で、邦人2名が旅券、財布等を入れていたバッグを盗まれたという
事案を把握しています。この2名は他人であり別の日に異なるホテルを利用していましたが、邦人がよく
利用するホテルに宿泊していた、被害場所がホテルのビュッフェ式の朝食会場である、食事中に使用していた
椅子の背もたれにバッグをかけていたという共通点が見られることから、同じ窃盗グループによる犯行の
可能性が考えられます。犯罪者から見れば、高級ホテルや邦人がよく利用するホテルは金目の物を持っている
標的を探すのに格好の場所と言えます。日本にいる時の感覚でビュッフェの会場で席を確保するために荷物を
置きっ放しにしたり、食事中に目の届かない椅子の背もたれに貴重品の入ったバッグや上着をかけておいたり
することは控えましょう。

 ○ 警察当局による防犯指導
 本年に入り、警察当局より、最近においても日本人、韓国人等の観光客を狙った中国人、ベトナム等の
東南アジア人、ペルー人等の窃盗グループを確認しているとの情報提供を受けています。上記のスリや置引き
の手口はその典型だと思われますが、窃盗グループの組織的な犯行から自分を守るためにもバッグやその
取り出し口(ファスナー部分)を常に自分の視界に入れるなど、他人に隙を与えないような方法で所持品
を携帯する工夫を行ってください。また、窃盗グループが道を尋ねてきたり、食べ歩きをしながらぶつかって
きて被害者の服に何かを付けたりするという手口も常套手段であることから、皆様がそのような場面に
出くわしたら貴重品から目を離さずに冷静に対処するようにしてください。

 イ 旅券の紛失
 盗難又は遺失の判断がつかないものの、邦人旅行者が旅券を紛失する事案が後を絶ちません。日本台湾交流協会
が把握している旅券の紛失事例を見ると、以下のような徴が挙げられます。
 ○ 九フンや夜市等の大勢の観光客で混み合う観光地において旅券を紛失する。
 ○ 乗車したタクシーや公共交通機関に旅券が入ったバッグを置き忘れる。
 ○ 空港での両替時に本人確認のために旅券を提示し、そのまま置き忘れる。
 ○ 泥酔するまで酒を飲んだ後に路上で寝込み、旅券入りのバッグを紛失する。
 ○ ナイトクラブに入場する前に旅券を提示し、店内で酔っ払って紛失する。
 上記に見られるように、旅券の紛失は所持者本人の不注意によるものが大半を占めます。旅券を紛失した場合、
台湾当局への届出に加え、どうしても急ぎ帰国の必要がある場合には、渡航書等の申請が必要となります。
そのためには、戸籍謄本等の入手が必要となるなど、申請手続には多くの時間と労力を要します。また、
日本の旅券は国際的な信用度が高く、紛失した旅券は偽変造され、不法な出入国等の犯罪や国際テロを助長する
おそれがあります。皆様の知人、会社の出張者等が台湾を訪れた際には、上記の事例を参照しつつ、滞在中の
旅券の管理に十分に留意するよう注意を促してください。

3 交通事故の傾向
(1)主な統計
 内政部警政署の発表によると、2019年中の交通事故の発生件数は32万2,374件と、前年と比較して
0.6%増加しています。また、死者数及び負傷者数も前年より増加しており、交通情勢は前年より悪化が
見られます。2019年も前述の刑法犯の発生件数よりも交通事故の発生件数が多かったことに留意していただき、
本年も交通事故に遭わないように十分に注意してください。なお、交通事故に関する主な統計は、以下のとおりです。
  発生件数 32万2,374件(前年比 0.6%増)
  死者数     1,849人(同 上23.8%増)
  負傷者数 42万8,753人(同 上 0.2%増)

(2)邦人被害の事案
 2019年11月に邦人が日中に台北市内を歩いていた際に交通事故に遭って足に重傷を負ったという事案のほか、
同年12月に邦人が日中に台南市内の横断歩道を渡っている際に交通事故に遭い、意識不明の重体となった事案を
把握しています。台湾では、多くのドライバーが歩行者よりも車両を優先する傾向にあることから、周囲の車両の
状況を常に確認することを心掛けましょう。

4 テロ・爆弾事件の発生状況
 報告されていません。

5 邦人に関する誘拐・脅迫事件の発生状況
 報告されていません。

6 日本企業の安全に関する諸問題
 報告されていません。

7 海外旅行保険への加入の勧め
 台湾を訪れた邦人(特に高齢者)が滞在中に体調を崩して病院に入院し、高額な医療費等(例:手術を伴う
1か月程度の入院で約500万円)を支払うなどの事案が見受けられます。このような場合、海外旅行保険に
加入していれば、病気の際の医療費、移送費等が補償されるほか、保険会社や契約内容によっては、
家族の渡航費や台湾において日本語通訳の手配サービスを受けることも可能となります。皆様の知人、会社の
出張者等が台湾を訪れる際には、犯罪被害、交通事故、突然の体調不良等に備え、可能な限り充実した
海外旅行保険に加入するように勧めてください。

8 台湾当局による新型コロナウイルス感染症への各種対策
 周知のとおり、台湾当局も新型コロナウイルス感染症への各種対策を実施していますが、3月19日より
日本人を含む外国籍者が台湾に入境するには、居留証、外交公務証明、ビジネス契約履行証明又はその他の
特別な許可が必要となったほか、入境後には14日間の在宅検疫が義務付けられています。よって、
観光や短期出張といった目的では台湾に入境することはできないほか、台湾に入境した場合でも、14日間は
自宅又は指定の場所に待機し、外出、出境(日本への帰国)、公共交通機関の使用等ができなくなります。
 台湾当局の新型コロナウイルス感染症に関する各種対策については、
当協会のHP(https://www.koryu.or.jp/tabid2169.html)のほか、
衛生福利部疾病管制署のHP(https://www.cdc.gov.tw/)を参照し、
最新かつ正確な情報の収集に努めてください。